私は、マンションを事務所として、一人で仕事をしている、35歳の独身男性で、どちらかというと自由業に近い、自営業者です。

私が購入て洗濯したのは、現在商品として開発されているいわゆる「洗えるスーツ」ではなく、通常のスーツでした。

私の中では、スーツはクリーニングに出すことが常識でしたから、たとえ「洗えるスーツ」を買ったとしても、自分で洗う度胸はなかったと思います。

それを何故、自分で洗ったかというと、スーツが安かったからです。古着ではなく、新品で上下5,800円で購入したベトナム既製品のスーツを、クリーニングに出すことがバカらしくなり、それで自分で洗うことを思い立ちました。

その際、世の中には「洗えるスーツ」があることは、あまり意識しませんでした。そもそもスーツは、自分で洗うものではないという認識でありながら、洗ったわけです。

洗濯をしてみて失敗だと悟るのに時間はかかりませんでした。

まず、洗いとすすぎの段階では何も問題は感じませんでしたが、脱水を終えて取り出してみると、上下ともヨレヨレでした。

干して乾燥させ、しかるべき手段でプレスすれば何とかなると踏んでいた当初の目論みは、生地全体にしわが寄ったヨレヨレの状態を見て、早くも頓挫しました。

これを見られる状態に蘇生させる事は、想像以上に難しいなと感じました。

洗う前は、アイロンを押し当てれば何とかなるかなとも思っていましたが、干している段階でそんな感じではなくなりました。

もはや仕事で着用することはまったく出来ないと諦めました。

それでは遊びに行く際なら着れるかというと、それもまた難しい感じがしました。

何故なら、人間の目は襟元に行くからです。例えば、ロングシートの通勤電車で席に座ったとして、反対側のシートに座った人からの視線はたいてい露骨に顔には当たらず、襟元や胸元あたりに落とされます。

そんな時、このスーツじゃどうしようもないだろうなと、容易に想像されました。つまり、着て歩くには恥ずかしい代物に、成り下がってしまったわけです。

それで、上に関してはすぐ、クリーニングに出し直しました。

ただ、スラックスに関しては、やり方では洗えるんじゃないかと思い直したのです。

それで今取っている方法は、乾燥段階の工夫ですが、ウエイトをスラックスのベルトに取り付けて、上下逆さまに干しています。

すると、乾燥したとき、生地が伸びきり、しわが寄らなくなりました。

あとは布団とシーツの間に挟んで、その上で一晩寝るだけです。翌朝には真新しいスラックスを履くことが出来ています。