ウールは天然素材なので肌に優しく、暖かいだけではなく吸湿性があるので蒸れたり汗冷えせず、静電気も起きにくく汚れにくいという機能性に優れた素材です。

では、お手入れはどのようにおこなえばよいのでしょう。

ウールセーターを自宅での正しい洗い方は?

ウールといえば代表的な製品は冬の定番であるウールセーターですが、自宅でも洗うことはできるのでしょうか。

まず、一般的にウールとは羊の毛のことを指します。

羊の種類や毛質、ランクも変わるものの、もっとも多いトラブルが縮みと色落ちです。

これはウールが水の影響を受けやすいからで、自宅で洗濯する際の最大の注意点となります。

水の影響の度合いは水温が決め手となり、お湯で洗濯すると影響を受けやすくなります。

このため、ウールを洗濯する際には必ず30℃以下の水で手早くやさしく洗うことが大切です。

また、自宅で選択する際には洗剤選びも慎重に行います。洗剤選びを間違えると仕上がりに大きく影響します。

ウールの洗濯に最適なのは中性洗剤で、市販されているものであれば、「おしゃれ着洗い専用洗剤」がよいでしょう。

そして、ウールセーターをはじめて洗うときには、色落ちテストを必ず行います。方法としてはハンカチに原液の液体洗剤を含ませ、セーターの目立たない場所をたたいてみます。

このとき、洗剤で色落ちが起こるようであれば、選択の際に色落ちする可能性が高いので、この場合は自宅で洗濯することは控えクリーニング店に依頼するようにします。

色落ちテストに問題がなければ実際に洗濯しますが、洗濯をはじめる前に必ずセーターについている洗濯表示を確認します。

「洗濯機マーク」か「手洗いマーク」が記載されていれば、自宅で選択が可能です。

このとき、特にシミや汚れが目立つ部分があれば、原液の洗剤を少量つけてなじませておくと汚れが落ちやすくなります。

もし、洗濯機で洗うようであれば、弱流水で洗う「手洗い(ドライ)コース」などを選択し、セーターは洗濯ネットに入れておきます。

また、手洗いで洗濯するのであれば、たらいなどの容器に水をためて指定された量の洗剤を投入し、洗濯液をつくります。

その後、セーターは畳んだ上で3分から5分ほど洗濯液に浸けこんでおき、ゆっくりとやさしく20回から30回程度押し洗いします。

このとき、こすったりもんだり強く洗わないことがポイントです。

押し洗いが終わったら、15秒から30秒ほどの短時間で脱水を行います。

脱水が終わったら、型崩れや伸びを防ぐため、干しネットなどを使用し、日陰で平干しにします。

このような方法であればウールセーターでも自宅で洗濯することができます。

ウール素材が縮む原因は?

ただし、気をつけていてもウール素材は洗濯の際に縮んでしまうことがあります。

これはウールが人の髪の毛のキューティクルと同様、スケールというウロコ状になっているからです。

水に濡れるとスケールは開いてウールが縮む原因になります。

スケールは水温が高いほど開きやすくなりますが、スケールが開いた状態でウールに力が加わると、繊維同士が絡まってしまいます。

この状態でスケールが閉じてしまうと、結果としてウールは縮みます。

これをフェルト化収縮といいますが、これを防ぐためにウールを洗濯する際には洗濯機よりも負荷の少ない手洗いが推奨されるのです。

ただし、たとえスケールが開いた状態でも強い力が加わらなければ繊維同士が絡まることはありません。

このため、ウールセーターを洗濯する際には、洗うというよりも、水の中を泳がすような繊細な扱い方が求められるのです。

また、そもそもスケールが開かなければウールの収縮は起こりません。

一般的なドライマーク用洗剤はシリコン樹脂で表面を覆いスケールが開きにくくなる効果があるので、ウールを洗濯する際には粉末洗剤などではなく、「おしゃれ着洗い専用洗剤」などのドライマーク用洗剤を使用する必要があります。

ウールの縮みを戻す方法は?

ウールセーターをうっかり普通に洗濯機で洗濯して縮めてしまった場合には、スケールが開いて絡まってしまった繊維を解いてやることで元に戻すことができます。

これには洗髪用のトリートメントあるいはコンディショナーを利用するのが有効です。

スケールは髪の毛のキューティクルと性質がよく似ているので、髪の毛の絡まりを防ぐトリートメントなどが役立つのです。

この際使用するのはアモジメチコン(ジメチコン)というシリコン素材が含まれた製品にしましょう。これはドライマーク用洗剤同様、アモジメチコンにはスケールをコーティングして絡みを軽減する効果があります。

このため最近増えてきているノンシリコンタイプのトリートメントでは効果がありません。

縮みを戻す手順としては、たらいなどの容器にトリートメントおよそ15g入れてよく溶かします。

そこへ縮んでしまったウールセーターを入れ30分ほど浸けこみます。

その後洗濯機で1分ほど脱水し、形を整えて陰干しで平干しします。

完全にセーターが乾いたところで、衣類の端を洗濯バサミでアイロン台に固定し、元のサイズまで伸ばしたらスチームアイロンをかけます。

このとき、一気に伸ばさず、徐々に伸ばしていくのがコツです。

ウールセーターは自宅洗いとクリーニングに出すのとどちらがおすすめ?

ウールセーターは自宅でも洗濯することができますが、実際には自宅洗いとクリーニングどちらがよいのでしょう。

基本的にウール100%の製品は水洗いすると縮む恐れがあるため、ドライクリーニングを推奨するドライマークの洗濯表示がされています。

洗濯機に「ドライコース」があったり、ドライで洗えるという洗剤も数多く市販されていますが、家庭で本来のドライクリーニングはできません。

これはドライマークの付いた製品が洗えるということに過ぎません。

ドライで洗えるということは、中性洗剤を使って機械的な力を極力与えずに水で丁寧に洗っているということで、水を使うことには変わりないため、そのリスクは理解しておかなくてはなりません。

ウールセーターの中には水に濡れるだけで型崩れしたり色落ちしたりするものもあります。

もし洗濯をしたいと思っているセーターが高価なものであったり、長く着続けたいと思っているものであるのなら、クリーニングを利用するほうがベターといえます。

ウールセーターをクリーニングに出した時の料金と日数の相場は?

セーターのクリーニング相場はおおよそ600円前後となっています。高いところでも1,000円以下ですが、アルパカなど高級素材が使用されている場合には追加料金が発生することがあります。

ただし、業者によって基準が異なる場合もあるので、事前に確認が必要です。

また、セーターのクリーニングにかかる日数はおよそ2日から1週間程度です。

また、汚れ具合や時期によっても日数は変わってきます。同様に、シミ抜きなど特殊な加工を依頼した場合も日数は変わってきます。

このように、ウールセーターは比較的繊細な素材です。

洗濯以外でも、着た後にはやや繊維が絡まっている状態になります。

これを放っておくとさらに絡まり毛玉になってしまう恐れがあります。

また、毎日着続けるとセーターも疲れてしまうため、連続して着るのも避けたほうがよいでしょう。

その上で、着たあとはきちんとブラッシングし、自宅で選択した場合には必ず平干しすることなどを心がけましょう。

そして、もっともよいのはやはりクリーニングを利用することです。