結婚して初めてしたことの一つが、クリーニング屋に洗濯物を出すことでした。

独身の間は自分で洗濯できるものしか買ってなかったので、クリーニング屋とは無縁だったのです。

しかし夫は背広が仕事道具の一つでもあったので、毎回クリーニング屋のお世話になっていたようです。

結婚を機に夫も私も引っ越しをしたので、新しい土地でクリーニング屋を探すところから始めました。

都合のいいことにアパートから歩いて5分もかからないところに、チェーン店のクリーニング屋がありました。

新婚で新しい土地で、これから始まる未来にワクワクしての毎日です。

そのクリーニング屋にも爽やかな気持ちで通い始めました。

けれどそんな爽やかな気持ちも、出来上がった洗濯物を見ると吹き飛ぶ日が来ました。

線は増えるよどこまでも

私は気が付いてなかったのですが、会社に行く朝、夫がクリーニング屋から帰ってきたズボンを履こうとした時です。

右足だけ真ん中の線がずれていることに気づき、「こんなの履いていけない」と不機嫌になりました。

ストックのズボンはあったので、慌てましたが何とかその場はしのげ、無事出勤していきました。

当時私は専業主婦だったので、開店時間を待ち、クリーニング屋に線が二つのズボンを持って行きました。

このクリーニング屋を利用してまだ数回目のことでした。

私としては他県から嫁いで来たので知り合いもなく、これから長い付き合いになるであろうクリーニング屋の受付さんと、少しで良いので親しくなりたいと思っていました。

だから穏やかに、決して詰問調にならないように、線がずれている事実だけを言いました。

すると受付さんはもう一度やり直しをすることと、きちんとアイロンがかけられていなかったことを謝罪してくれました。

もちろん無料です。

当然のことなのですが、でも正直ほっとして、穏やかな気持ちで帰りました。

そして翌日約束の時間にクリーニング屋に行ったのですが、帰宅してビニール袋から取り出したズボンを見て、愕然としました。

先日2本になっていた真ん中の線が、どういうことか3本に増えていたのです。

不信感は人間を成長させる?

今では52歳のパートのおばちゃんですが、当時は30歳そこそこの新米専業主婦で、しかも知り合いが誰一人居ない土地での新生活です。

少しで良いので世間話ができればと思っていた近所のクリーニング屋で、二度も続けてアイロンを失敗されてしまいました。

指摘していたにもかかわらず、誰も確認してないばかりか、線が増えてどうする!という腹立たしい気持ちと、少し悲しい気持ちでいっぱいになりました。

不信感はもう拭えません。これ以上話が通じないクリーニング屋に関わるのは時間の無駄と思いました。

少し遠くなりましたが、歩いて15分くらいのところにもクリーニング屋を見つけたので、そっちに変えました。

最初の店と違うチェーン店なのもしっかり確認済みです。

ミスはしかたないのですが、指摘しても注意を払わず、平気で線が3本になったズボンをお客に渡すクリーニング屋にはビックリです。

でも、学んだこともありました。

今でこそ洗える背広のズボンが販売されていますが、20年くらい前はなかったと思います。

でも毎回往復30分かけて夫の背広のズボンを出しに行くのが面倒になり、ズボンだけですが自分で洗濯しアイロンをかけるようになりました。

人間、やれば何でもできるもんだと思いました。

さすがに上着はクリーニング屋に出しましたが、大抵のものは自宅で洗濯できることに気が付きました。

今では喪服まで自宅で洗濯しています。

クリーニングに出すことはお金と時間の無駄遣いにしか、私には思えません。